2012年3月7日水曜日

KORG Bloggers Meeting 2012

コルグ・ブロガーズ・ミーティング2012に行ってきました。




今回の目玉商品はKaossilator2、そしてmini-Kaosspad2だったので、
会場もカオス尽くしと言うか歴代のカオスパッドの展示がありました。




今回、個人的に最も注目すべきと思ったアップデートは、『パッドがマルチ
タッチになった』という事です。今までのカオスパッドはニンテンドーDSと
一緒で一箇所しかタッチ出来ませんでした。今回のKaossilator2、mini-
Kaosspad2はiPhoneやPadと同じように、複数の箇所を同時にタッチする
事が出来ます。

仕様の詳細はKORGさんのWebを見ていただくとして…
☆ Kaossilator2
http://www.korg.co.jp/Product/Dance/kaossilator2/
☆ mini-Kaosspad2
http://www.korg.co.jp/Product/Dance/minikaosspad2/
☆ monotron DUO / monotron DELAY
http://www.korg.co.jp/Product/Dance/monotronDUODELAY/

右斜め上Kaossilator2

そもそもカオシレーター開発の動機として、楽器の出来ない人でも楽器を
演奏する楽しさを感じられるような機材を作るというのがあったそうです。
親しみやすいカラーのデザインとインターフェースで、カッコいいループを
簡単な操作で作る。その楽しさをKaossilator2では更に追求したと言う事。

省電力も果たし、必要な電池は2本。ライブ、セッション志向を強めに開発
されたようです。パート毎に分けたりして、楽器が出来ない人でも他の人と
一緒に『セッション』が楽しめます。また、内部スピーカーを搭載しているので、
アンプに繋げなくても音が出ます。そのため、複数人で集まって遊んでいる時に
『ねぇねぇ、こんなの出来たよ!きいてきいて!』が気軽に出来ます。

操作性も弄っているうちに何となく理解出来る簡単さと、手軽な多重録音&
サンプリング機能で、もたもたせずに次々と展開を足して行く事が可能です。

■ Kaossilator2のシンセサウンドについて
Kaossilator2のシンセ部分のプログラム的(?)内容はアナログモデリング
シンセ、と言うかモジュラーシンセサイザーに近いものだそうです。
DAWで例えるとReaktor。

今回新しく入ったプリセットが2/3、Kaossilator、Kaossilator Proで人気の
あったプリセット1/3ほどで構成されているようです。新しいプリセットは更に
アグレッシブでダーティーなものを重点的に追加したそうです。
(某SuperSawみたいなギラギラしたリード、ダブステップ系のHiphopで
使われるような汚い感じのリードなど)

■ Kaossilator2のドラムサウンドについて
ドラム、特にキックドラムの音色は、ある意味、電子音楽のジャンルを象徴して
しまうので、ドラム音源のリアル感に力を入れたそうです。どんなに音楽的な
構成を真似しても、ドラムが偽物っぽかったら、そのジャンル『らしく』
なくなってしまいます。今回、PCM音源が使えるので、それを最大限に生かし、
リアル感のあるドラムサウンドが多数収録されています。

また、パッドがマルチタッチになったので、プリセットのドラムキットを
使用して、ドラムパッドのように扱う事もできます。(これは楽しい!
ハマる人は本当にハマると思う!)

■ その他
作ったループを記録するループレコーダーが2つ搭載されています。
それによって、音の抜き差しがし易くなり、豊かな展開を付ける事が出来ます。
旧カオシレーターで『うーん、今ここで音抜いて盛り上げたいのに〜』と
物足りなく感じていた所が改善された模様。

アルペジエーターが搭載されており、アルペジエーターの動作を変える事が
可能、スイング値やゲートタイムを弄れるのでより演奏に変化をつけられます。

録音/再生が可能。PCMなのでチョップ、スライス操作が自由自在に出来ます。
声をサンプリングして、それをサンプラーにぶち込んで切り刻んで…といった
操作がワンタッチで直感的に。これは遊べます。タイムストレッチ対応なので、
BPMを変えても音程が変わりません。
また、ループはレングスを変える事が可能です。





右斜め上mini-Kaosspad2

どこにでも持ち運びできる大きさの『お気軽・簡単に使えるエフェクター』
ですが、それ自体でパフォーマンスをする事が可能になる機能を、色々と
盛り込んだようです。シンセサイザーやドラムマシンなどの音源に繋がずとも
単体で遊べます。『ただのエフェクターじゃん』と言うことなかれ!

■ プリセットループ
プリセットのリズムループ等が収録されており、そのループにエフェクトを
かけて遊ぶ事が可能です。MP3プレイヤーとしても利用でき、音楽や自作の
トラックなどをSDカードから読み込んでエフェクトをかけたり、
飛び道具として利用することも…。

■ 内蔵マイク
Kaossilator2と同じく内蔵マイクが搭載されています。マイクから入る音声に
リアルタイムでエフェクトをかけて録音する事が出来るので、現場でアドリブ
的に声ネタが作れるなどライブパフォーマンスで非常に役立つと思いました。
Looperなどが楽しいです。また、ボコーダーとしても使え、ボコーダーの
プリセットが色々と用意されています。

■ エフェクトの追加
Kaoss Pad Quadなどの人気エフェクトに加え、ダッキングコンプ、
スライサー、ジャグフィルター(LFOフィルターの仲間)、パンプノイズ、
パンプリバーブなど様々なエフェクトが新しく追加されました。どれも
今時っぽいと言うか、アドリブが爽快に決まりそうな類いのエフェクトです。
私はパンプリバーブが気に入りました。サイドチェインコンプ的なワッ、ワッ、
…とした感じのエフェクトです。
即興演奏やSE作りに適したフィルタも多いなと感じました。

右斜め上iKaossilator ver.2




iPhone/iPad用アプリ、iKaossilatorがアップデートされるそうです。
これによって、iKaossilatorとKaossilator2の れ ん けい が可能に
なりました。SDカード(microSD)とiTunesを介すので少々面倒くさい
ところもありますが、BPM、スケール、キー、レングスなどの連携が出来ます。

私はこの辺あまり詳しくないのですが、今までのアプリでは
Audio Copyのみ対応だったのが、ver.2ではAudio Paste対応となり、
wavファイルの れん け ぃ が可能になり、iElectribeなどからwavを
エクスポートしてKaossilator2に読み込み、弄る事が出来ます。
可能性が広がりますなぁ。

(ホワイトボードに文字を書いて説明中の井上さんが、ゲシュタルト崩壊を
起こしてしまい、連携という漢字が分からなくなり、仕方なく『れんけい』と
平仮名で書いたのだけど、その文字の独特さに会場大爆笑。改まって文字を
書こうとしてゲシュタルト崩壊、私もよくやる…。他にも昼食にバーガー
キングを食べてiPadが指紋でベトベトになっていたり、パソコンが逝った話を
したりと、井上さんは完全に今回のお笑い担当になってました。)

新商品のデモの後は、monotron DUOとmonotron DELAYの回路図説明、
という非常にマニアックな講義のお時間。回路図は重要な箇所のみ、思いっきり
省略して説明され、それよりはアナログシンセサイザーの基礎と言うか、
周波数スペクトルの図や、オシロスコープを使っての波形の説明に時間を
割いてました。KORGで物理の授業を聞く事になるとは思わなかったですw




私としてはとても興味のある分野で、今まであやふやだった部分も幾つか
クリアになり、楽しかったです。って言うか萌え。

最近はオシロスコープはデジタルが多いのですが、アナログオシロスコープを
わざわざ探してきたそうです。貫禄があります。って言うか萌え。





回路図は見てもよく分からないのですが、説明を聞いていて、アナログの
シンセサイザーというのは本当にVoltage Controlled(電圧制御)なのだなぁ、
と初めて実感しました。って言うか萌え。

monotron及びmonotron DELAYは基礎波形にノコギリ波が採用されて
いますが、monotron DUOは矩形波が採用されているそうで、そのへんの
違いについて色々と説明がありました。かいつまんで説明すると、

ノコギリ波→周波数スペクトルを見ると、整数の倍音が全て含まれているので、
音的にはミッチリ詰まった感じで、PEAKフィルターによってカットオフ周波数
の周辺の音を強調してやったり、CUTOFFフィルターを動かして周波数成分を
カットすると、ミッチリしている分(倍音が多い分)、音に与える影響が高く
なり、結果、大きな音の変化が感じられる。なので、シンセサイザーの
基本波形として最も多く用いられている。

矩形波→ノコギリ波に対して、スペクトルを見ると、奇数の倍音しか含まれて
いないので、音的にはスッキリした感じで、その分(倍音が少ない分)PEAKや
CUTOFFフィルターで弄ってやっても音への影響が少なく、音の変化があまり
感じられない。monotron DUOは矩形波を採用しており、2つのオシレーターに
よるクロス・モジュレーションが可能であり、周波数の足し算と引き算により、
整数ではない倍音が生じる。

…みたいなー。
すんません説明出来てません!!w
詳しい事はマニアックな奴に聞いてくれ!!w

というわけで、商品デモンストレーションあり、お笑いあり、
お勉強になる講義ありでとても充実したミーティングでした。

(ミーティングの後、よく知ってるメンバーと飲みに行ったのですが、
何故かゴムの話で盛り上がり全員腹筋痙攣呼吸困難。私はこれ、井上さんが
我々の笑いのツボを刺激したのがそもそもの原因だと思ってます…。)

…ところで、Kaossilator2、mini-Kaosspad2の気になるお値段ですが、
『定価で\16,800』だそうです。店頭価格だと\13,000ぐらいで買えるかも
しれません。お財布に優しいですね。私は音源は自分で作る派なので、
エフェクターのmini-Kaosspad2が欲しいなぁ…。

今回のミーティングで撮った映像を纏めた動画はこちら!
おまけの実験&NG集付き!

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